NPO法人アイネット和音の取り込み

アイネット和音は地域における利用者の方々のその人らしい生活を支えるケアと、

さらに運営面においても地域社会に根ざした運営を行い、介護・福祉のサービス・

サポート活動を行っています。地域における人間関係・社会関係を維持・継続する

ことを重視したサポート(利用者と地域社会の関係を絶たない)を実現し活性化する

ことにより、"利用者寄り添う"サポートで高齢者の情した生活に大きく寄与できる

と考えます。

 

【基本理念】

地域の皆様にサービスを提供することにより、高齢者や家族の方が安心して暮らせる

地域づくりの実現を目指します。

 

【運営方針】

私たちは、高齢者の方々が住み慣れた街、暮らしなれた住まいで安心して生涯を

過ごすことができる権利があると考えています。そこで私たちは、高齢者の方々の

身心の向上と自立生活の確立、安定化を目指す活動に取り組みながら社会や地域に

おいて自立生活を支援していくことで、地域社会の利益の増進に寄与していこうと

考えます。「困ったときはお互いさま、助けられたり、助けたり」と、巡り合い・

ふれあい・支えあい、そして幸せづくりの精神で活動を行い、利用者皆様が望む

最善のサービスを共に考え、ともに歩んでいく団体でありたいと考えています

 

 

和音が伝える高齢者の方々の身心の向上と自立生活の確立、安定化を目指す活動

 

和音の介護予防、認知予防

 

●.はじめに

老人福祉 (welfare for the aged)とは生活のなかで適切な判断を行うなど自立的に生きるための能力が低下してきた老人を対象とした福祉で、ニーズ(需要、要求)に対応する人的・物的サービスの総称です。具体的には年金、社会保険、公的扶助などによる社会保障や就労保障まで、老人の生活を保障するためのサービス全般をいいます。1963年(昭和38)に老人福祉法が老人を対象とする福祉の基本法として制定されました。その背景には、第二次世界大戦後の産業構造の変化、それに随伴する都市化、核家族化などの社会変動によって、一方では家族や近隣を中心とした私的共同体の扶養能力が急速に低下しました。また、他方では老人をめぐる社会環境それ自体が悪化して、老人問題が全社会的規模に発生、顕在化してきたという事実が存在します。今までの老人福祉の概念は、どうしても弱い老人を援助することを主眼に考えられていますが。そもそも国連で定めた「65歳以上を老人」という定義がすでに現代の長寿国日本には当てはまりません。そして、少子化による人口構造の変化は、年金制度にも障害をきたしています。今後は年金だけでなく、医療、介護保険にも影響が出ると思われます

 

 

 望ましい人生をおくるために

介護とは病人や高齢者を日常生活の身体的困難などに対して補助したり看護したりすることです。予防とは想定される悪化に対して事前に備えておくことです。老人福祉においては予防は介護を受けない身体、認知症にならない脳をどのように作るかということです。和音では介護という概念は外から与えられるものではなく、自分自身で「学習」「遊び」「トレーニング」を通じ「自立できる身体」「脳の活性化」を作るということと考えます。こうした和音の考える「介護・予防」は日常の活動の中で培われるものです。 

自立できる身体、脳の活性化を可能にするために和音では「モンテソーリ理論」「新老人」「終活」この三つの概念を融合して取り入れ、実践することにより新しい形の和音スタイルの高齢者ケアを確立しています。

 

 

 

 

 「モンテソーリ理論」「新老人」「終活」の三つの融合

 

1.モンテソーリ教育理論と和音の介護予防、認知予防

モンテソーリ教育は児童教育の本幹をなす教育方法で、自立と集中力を養うメソッドです。この理論は高齢者ケアに有効に働きます。

モンテソーリ理論のメソッドは5分野に分けられます

 

・日常生活の練習 

例えば、洗濯や掃除など様々な日常生活を通し、自分の生活を依存から自立へと成長させ、さらには精神的にも自立できるとする心を育てます。

 

・感覚教育 

感覚は知的活動の基礎となるので、視・聴・嗅(きゅう)・味・触の五つの感覚の衰を補います

 

・言語教育

コミュニケーション力は社会生活の基礎であり、また、思考の道具である言語は人間にとってとても大切なものです

 

・算数教育 

数を表す要素には三つの形態があり、具体的に感覚で捉えることのできる物「量物」、その量物を言い表す時に使う「数詞」、

書き表す時に用いる記号の「数字」の三者で。これらの三者が一致した数量概念を脳トレーニングに取り入れます

 

・文化教育

動植物、地理、地学、歴史、道徳(宗教)、音楽、体育、美術などが含まれます。生命の神秘への興味や芸術に関する表現力など

多岐にわたった人生で積み上げた知識を研ぎ澄まします

 

 

 

2.新老人という自立の思考

 

「新老人」は、医学博士 故日野原重明先生によって提唱されました。

世界で一番早く長寿国となった日本の高齢者が、世界のモデルとなるべく健やかで生きがいを感じられる生き方をするための具体的な提案活動です。

 

21世紀を前に日本は急速な人口の高齢化が社会問題化されつつありました。しかし高齢になっても自立して、これまでの人生で培った知恵や経験を社会に還元できる老人はたくさんいます。日野原先生は、国連で定めた「65歳以上を老人」とする捉え方はすでに実態に即しておらず、 老人は75歳以上として、シニア世代の新しい生き方、自立して生きる新しい老人の姿を「新老人」と名づけた。

 

 

 

3.終活という生き方と逝き方の意味

人生の終末期へ向けて準備や活動することを「終活」といいます。「終活」とは、終末期のライフデザインを自分で設計し、残った人生を楽しく生き、長寿を全うし望ましい最期を迎えるという考え方です。「終活」は、高齢者(年金受給者)になって新しい人生がスタートしたことを自覚するところから始まります。 まず、第二の人生を考え、今までできなかったことにチャレンジして、 自分の身体を大切にして人生をエンジョイすることです。そして人生の終末期に向けて、自分らしい“いい旅立ち”を、一人ひとりが自分のステージに合わせ、残りの人生の中で準備していくことです。大切なのは「いい人生だった」と思っていつでも旅立てるように、出来るだけたくさん生きることです。それが「終活」の在り方です。

 

  

 

 「老人、認知症サポート」モンテソーリ理論の実例

 

米・豪・加の3人の女性教師によるプロジェクト 

老人施設において、入所者の全ての世話をするのではなく、初期の認知症の入所者にできる限り通常の生活活動を行ってもらおうとする中で、モンテソーリの幼児施設で、子どもが自分でできるようにする方法を基に、子どもがやるような言語活動(「冷蔵庫」と書かれた紙の上に絵カードを置いて「冷蔵庫に入れるもの選び」と言う遊びのような活動)や、刺繍セット、年代や運動に考慮した足踏み式ミシンなどを用意するなど、多くの手仕事を提供する。

 

生活活動でも、言っても忘れてしまったり、失敗の増える高齢者のために、文字情報で伝える。いちいち言葉で伝え、高齢者の自尊心を傷つけることなく、自分でできるよう仕向ける配慮をする。例えば、食器を戻す場所や、洗った食器置き場にプレートをつけておき、「食器返却」や「この食器を棚に片付けてください」といったように、文字で自立を促すような手法を提供する。認知レベルも運動能力も低下して行き、子どもに戻るかのようなお年寄りに、いかに人間らしい生活を続けてもらうのか。「自立」「自信」「尊重」が大切なものかを自覚させる。

 

 

 

 モンテソーリ理論を活用した高齢者施設からの報告

 

「認知症の人との仕事やアクティビティの鍵は、認知症の人が親しみを覚え日常生活のなかで使ることを対象とすることです。ある入居者は編み物が好きで、何を編むかは問題ではありません。同じ毛糸を何度も使うことができます。こうした運動機能を改善しながら、何か生産的にことをしていると感じることになるでしょう。認知症の人は、特別な運動機能や仕事を再学習したり、繰り返すことを可能とする「手続記憶」は保たれており、たとえば、ある色のゴルフボールをおわんから取り出しては戻すということを繰り返すことで、スプーンでスープを飲むために必要な運動機能を改善することができます。あるいは、布を渡して壁の埃を取ったり、箒で床を掃除することもできます。本当のように見えたり、役立っていると感じさせるアクティビティを行うことは、目的なく歩きまわったり、何時間もただ座っているよりはよいのです」モンテソーリ理論は、五感に根差したもので、日々の生活のなかでの対象に関わり、失敗することも認めながら構造化されたアクティビティの実施を含めています。
「多くのアクティビティは入居者をより自立させますが、他の人たちにとっては単に自分によりよい感情を抱くというだけのこともあります。彼らが感じられることをするように促すことで自己評価を高めることも生産的なことなのです」

 

 

 「終活」からの提案

 

いまや「人生90年」時代

高齢化時代の老後は、まず、その長い時間を視野に入れて考えなければなりません。「人生80年」といわれるようになったのは昭和45年頃(1970)からですが、現在、日本人の平均寿命は軽々とそれを超えて、特に女性の平均年齢に至っては、限りなく90歳に近くなっています。最近の国勢調査では、一人暮らし高齢者の数は約4577000人。65歳以上の男性の10人に1人、女性の5人に1人がお一人様となっています。団塊世代が80代を迎える15年後には、 一人暮らしの高齢者は700万人を超えると推計されます。こうした「高齢化社会」は猛スピードで進み、世界中のどこの国よりも早く超高齢化社会が形成されます。この現象は海外からも『ジャパンシンドローム』と呼ばれ大きく注目を浴びています。それは世界中の国々が抱える同じ問題であり、超高齢化社会を一番先に体験する日本の高齢化社会対策に世界の国々から注目が集まっています。この超高齢化社会を今後度どう生きぬいていくかは、高齢者ならずとも大きな関心事となっています。

 

 

 

望ましい人生をおくるために七つの提案

 

1.「高齢者」のスタートは「就活」です

 定年を迎えたからと言ってリタイアではありません 仕事をして頭も体も活性化していきましょう

 

2.健康は日々の備えから

 健康とは健康になることではなく健康であり続けことです。 そのためにも「かかりつけ医」を作り自分の身体の医療情報 を知っておきましょう

 

3.いろいろな受けられる制度・サービスを知っておきましょう

・在宅医療 ・介護保険制度 ・成年後見制度

・見守りサービス(行政と民間)など

 

4.エンディングノートを書きましょう

 エンディングノートを直訳すると「最後の記録・覚書」ということになります。自分の人生の記録や、残された人に伝えたい情報を書ききした冊子のことです。

人生の最終章を迎えるにあたりご自身の想いやご希望をご家族などに確実 に伝えるためのノートです。

 

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エンディングノートを書いてみましょう

エンディングノートがダウンロードできます

PDFをクリックしてください。


 

5.葬儀の事前相談をしましょう

 自分自身の人生最後のステージ、葬儀の形を自分で決めておきましょう突然の旅立ちでも残された方が慌てることなく、自分で好きなスタイルで

 納得の旅立ちができす。 望ましい最期、誰もの願いです

 

6.元気だからこそ、終の住処(自分のお墓)を考えましょう

 自分の終の住処(お墓)を考え生前から、決めておきましょう。自分のライフスタイルに合わせ、自分に合ったお墓を決めることで後の憂いを断ち、

 最後の不安を解決することで残された人生を思い切り長生きしましょう

 

7.無縁よりも有縁・多縁。頼れる仲間をつくリましょう

 沢山の友達、仲間、それはお金には変えられない大切な宝物です。いざというときのあなたを助ける大きな力になります。

 

 

最後に

 

個々の子供は多くの可能性をもって生まれています、その可能性が発揮できるような環境を作ることで発達すると信じています。モンテソーリ教育理論は、五感に根差したもので、日々の生活のなかでの対象に関わり、失敗することも認めながら構造化されたアクティビティの実施を含めています。

こうした活動がアルツハイマー病や認知症の人に構造的に取り組まれ、失われた多くの能力を向上させるのに役立っています。自分自身の力として、学習、遊び、トレーニングを通じ「介護を受けず自立できる身体」「認知症にならない脳の活性化」が日常の和音の活動の中で潜在能力として存在することを確信しています。

 

 

 

アクティビティとは、一般的には「活動」を意味します